現在国会で審議中の2020年度税制改正法案における中小企業関係の見直しでは、交際費等の損金不算入制度について中小法人に係る損金算入の特例の適用期限の2年延長などがあるが、その一つに、この3月31日に適用期限を迎える少額減価償却資産の特例(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)の見直しと適用期限の2年延長(2021年度末まで)が含まれている。
少額減価償却資産の特例は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得し事業の用に供した場合、一定の要件の下でその減価償却資産の年間取得額の合計額300万円を限度に全額を即時償却できる制度で、2006年4月に創設されたもの。
今回の改正では、中小企業者における償却資産の管理や申告手続きなどの事務負担の軽減、少額資産の取得促進による事務処理能力・事業効率の向上を図るため、対象法人から連結法人が除外される。
また、4年前の2016年度税制改正において1000人以下とされた対象法人の要件の一つである常時使用する従業員の数についても、今回さらに500人以下に引き下げられる。
なお、この特例の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳と重複適用はできず、取得価額が10万円未満のもの又は一括償却資産の損金算入制度の適用を受けるものについてもこの特例の適用はない。