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ロボットアドバイザーを運用する国内最大手、ウェルスナビの預かり資産残高が3,000億円を突破した。日本経済新聞によれば、同社はすでに東京証券取引所へ株式上場を申請しており、企業価値は推定500~600億円。資産運用を手がけるフィンテックが上場するのは初めてで、今年最大規模のIPOになると予想されている。ちなみに2019年12月期の同社の最終損益は20億円の赤字。技術開発などの先行投資が嵩んでいるためとはいえ、「そのあたりを割り引いて考えても、ロボアドにそこまでの可能性があるか?」と疑問を抱く向きもいるかもしれない。

結論からいえば、少なくとも現時点での伸びしろは、500~600億円という企業価値にはとどまらないと考えられる。根拠のひとつは、提携金融機関の急増。預かり資産の約半数が金融機関経由で、8月にはメガバンクの一角である三菱UFJ銀行との提携を発表。この構造はロボアド業界に共通しており、業界2番手のTHEOも、預かり資産約600億円の半数が提携先経由となっている。もうひとつは、手数料の低さ。ウェルスナビ、THEOは預かり資産の年率1%、楽天証券のロボアドである楽ラップは最大年率0.65%となっている。10万円程度からと、小口で始められる敷居の低さも見逃せない。

終身雇用制が崩壊し、トヨタ自動車が一律的な定期昇給を廃止するなど、賃金が上がる道筋が見えなくなっている昨今、「自助」での資産形成がどうしても必要となる。そうした中で求められるのは、ローリスクで確実性の高い手法だ。「老後2,000万円問題」がクローズアップされたこともあり、今後はロボアド先進国であるアメリカと同様に「長期・分散型資産形成」の需要が高まっていくことを踏まえれば、低コストで手間いらずのロボアドの利用率は今後も上がっていくことは間違いない。前述のように、メガバンクが提携金融機関に名を連ねるのもうなずけるというものだ。

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