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激変期には、力強いメッセージが求められるものだ。コロナ禍で都道府県知事が発する言葉に注目が集まったが、マーケティングの観点でいえば、それはストーリーテリングという手法で実現できる。

ストーリーテリングとは、伝えたい内容に紐づくエピソードなどの物語で惹きつける手法。スティーブ・ジョブズは、その代表的な使い手として名高い。象徴的なのが、iPodを投入したときのプレゼンテーション、「1,000曲をあなたのポケットに」だ。当時、ソニーやパナソニックなども同様のプレイヤーを販売していた。iPodは後発で性能は低いという評価すらある。ところが結果はiPodの圧勝、約16年間で計4億台も売り上げた。その牽引役を担ったのが、ジョブズの一言だったことは疑いようがない。

ジョブズの言葉ほど鮮烈なキャッチコピーをつくりあげるのは至難の業だ。しかし、その構造から学べるものは多い。たとえば「1,000曲をあなたのポケットに」は、圧倒的なリアリティに彩られており、スペックを説明されるより、デジタル音楽プレイヤーの本質を表している。そして、「素晴らしい音楽体験を届けたい」というビジョンをジョブズと共有できる喜びすら湧いてこないだろうか。

幸い、今は「note」のように、ストーリーを表現できる媒体がいくつもある。ウェブサイトが商品・サービス紹介をスペックとして掲載する場所なら、noteのような媒体で思いの丈を表現し、SNSを活用して発信すればいい。今までとは異なるマーケティングの道筋が見えてくるはずだ。

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