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公正取引委員会がこのほど公表した2020年度における消費税転嫁対策に関する取組み等の状況によると、公取委は、消費税の転嫁拒否等の行為に対し、2020年度は、勧告5件(前年度6件)、指導280件(同743件)の計285件の措置を講じた。勧告又は指導の対象となった事業を者業種別に見ると、「製造業」が49件(17.2%)と最も多く、「建設業」40件(14.0%)、「情報通信業」27件(9.5%)、「小売業」25件(8.8%)がこれに続いている。また、行為類型別に件数を集計すると、「減額」が40件(構成比14.0%、前年度218件)、「買いたたき」が278件(同97.5%、同668件)、「本体価格での交渉の拒否」が3件(同1.1%、同21件)となっており、「役務利用又は利益提供の要請」は0件(同21件)となっている。

転嫁拒否行為によって特定供給事業者が被った不利益については、特定事業者279名から、特定供給事業者4万6504名に対し、総額7億3257万円の原状回復が行われた。原状回復額に関し転嫁拒否行為を行った特定事業者について、業種別にみると、「小売業」が最も多く(1億6873万円、23.0%)、「製造業」(1億296万円、14.1%)、「運輸業」(9085万円、12.4%)が続いている。勧告の事例をみると、カトーレック(株)は2020年12月10日に「買いたたき」で勧告されている。配送業務を委託している委託配送業者に対し、2014年4月1日以後及び2019年10月1日以後の当該業務の報酬単価又は月額報酬について、それぞれ消費税率引上げ分を上乗せせずに当該業務の委託料を支払った。特定供給事業者345名に対し、総額8018万4846円の原状回復が行われた。

 

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