ゴルフは2016年に112年ぶりにリオデジャネイロ五輪で復活し、東京五輪でも実施が決まっていることから、文部科学省は幅広くゴルフの振興を図り、国民が身近に親しむ環境を整備する上で重要だとして、2019年度改正に向けてもすでに7年連続となる廃止要望を提出した。ゴルフ競技団体や関係業界等を含め、同税廃止に向けた動きを強めている。
ゴルフ場利用税は、国体競技選手、年齢18歳未満の者や70歳以上の高齢者、障害者などは非課税だが、その他の利用者には一人1日当たりの施設利用に対して800円(標準税率)から1200円(制限税率)で課税されている。
廃止要望の背景には、ゴルフ人口の減少がある。1993年に約1480万人だったゴルフ場利用者は2016年には約550万人と約4割まで減少。この間、利用単価も大きく減少しており、業界には少しでも負担を減らして客を呼び戻したい事情がある。
一方、課税側の都道府県と交付金を受ける市町村は廃止絶対反対で一致。ゴルフ場の開発許可や周辺の道路整備にかかる行政サービスを賄う費用として欠かせないという立場だ。
ゴルフ場利用税の税収は年間約459億円(2016年度決算額)、うち7割がゴルフ場のある市町村に交付され、財政状況がひっ迫している地方財政にとっては貴重な財源となっている。
人気回復、底辺拡大を狙う業界側の廃止要望と、財源を死守したい自治体の攻防は今年も続きそうだ。
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