新型コロナ禍で急速に使われるようになった「ニューノーマルの時代」という言葉は、これまで重要視されてきた「PDCAサイクル」という手法に疑問符を突きつけている。このPDCAサイクルは、とかく最初のPlan(計画)が重要で、ここで躓くと軌道修正が困難になる。そこで注目されているのが「OODA(ウーダ)ループ」。Observe(観察)、Orient(仮説構築)、Decide(意思決定)、Act(実行)の4つを回していく手法で、米国の戦闘機パイロットだったジョン・ボイド氏が提唱。小さな判断の誤りが命取りになる戦場で、自身が積み上げた意思決定のノウハウをフレームワーク化したものだ。まさに「ニューノーマルの時代」に適しているわけだが、導入時には意思決定のためのデータ収集・解析が別途必要。テレワークが働き方のひとつとなっている今、各従業員が持つ問題意識、その解決のためのアイデアを吸い上げたうえで意思決定をしないと、組織の持続可能性も低くなりかねないからだ。
実は、こうした社会課題を敏感に捉えた意思決定サービス「WE.CAPTURE」が登場した。従業員の意見を解析、自動でマッピング・スコアリングし、重要度の高い課題と対応策を定量的に抽出できる仕組み。注目すべきは「意思決定をテクノロジーの力で支援するサービス」を、広告最大手の電通が手がけていることだ。予測がつかない不安定な状態がしばらく続くからこそ、企業における意思決定の重要度は今以上に高くなる。「WE.CAPTURE」の登場はそのことを示唆しているように思えてならない。